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コラム

プロネクサスベトナム現地レポート(2021年8月 VOL.25)

プロネクサスベトナムが、2021年7月のベトナム現地情報をお伝えいたします。

今回のテーマは、ベトナムへの海外からの直接投資(Foreign Direct Investment以下、FDI)の動向についてです。

2021年ワクチンが普及してきたものの全世界で新型コロナウイルスの影響は未だに大きく、前年同時期と比べると減少傾向が続いております。

【FDI動向の概要(2021年1月1日~7月20日)】*7月の数値は20日時点の値          

1.日本の対越投資動向

  • 日本の2021年1月1日から7月20日までのFDI投資額は約25億3,672万USドル(*2020年同期間:約16億336万USドル、158.2%)
  • 日本の2021年1月1日から7月20日までのFDI投資件数は、320件(*2020年同期間:653件、49%)
  • 証券投資件数を除いた日本の2021年1月1日から7月20日までのFDI投資件数は、186件(*2020年同期間:259件、71.8%)

*下グラフ参照
*証券投資を除くFDI投資件数の統計データは、会社設立や増資等の日系企業の直接的な進出動向の判断指標の一つとなる数値です。

*データ引用元:ベトナム外国投資庁

2.世界の対越投資動向

 2021年7月の値ですが、海外からのベトナムへの直接投資は、86の国と地域から投資が行われており、投資金額・投資件数の上位5か国は以下のとおりです。

*データ引用元:ベトナム外国投資庁 *「新規投資の金額・件数」「追加投資の金額・件数」「証券投資の金額と件数」の合計で順位を算出(2021年1月1日~7月20日)

<主な大型プロジェクト>

  • 火力発電所建設プロジェクトで約13億USドル(日本)2021/1
  • LG電子ハイフォン工場に約7億USドル追加投資(韓国)2021/2
  • 発電所建設プロジェクトで約31億USドル(シンガポール)2021/3
  • 太陽電池プロジェクトで約5億USドル(香港)2021/3
  • Far Eastern Polytex工場に約6億USドル追加投資(台湾)2021/5
  • 上記の大型プロジェクトなどがFDI投資金額全体を下支えしており、全世界からのベトナムへの投資金額は、対前年同時期と比較し60.6%程度で推移

*引用元:ベトナム外国投資庁

 

<7月の投資状況>

2021年7月の外国からベトナムへのFDI投資をみてみると、金額ベースは同水準に少しずつ戻りつつありますが、件数は未だに伸び悩んでいる状況にあります(対前年比 約60.7%程度)。

外国からベトナムへの新規プロジェクトへの投資は1,006件(対前年比62.1%程度)、金額は101億USドル(対前年比93.4%)。同様に外国からベトナムへの既存プロジェクトに係る増資に関しては、561件行われ(対前年比110.3%程度)、金額は45億USドル(対前年比103.8%)に達しました。しかしながら、2021年7月のベトナムにおいて投資資本においては3.8%増加し、厳しい状況下でも注目を浴び、経済成長が続いていることが分かります。

 

<ベトナム新型コロナウイルスの状況と企業・経済状況>

7月31日に東京での新規感染者が4,058人と過去最多を更新しましたが、ベトナム特に東南部のホーチミン市でも感染者が急増しています。ベトナムはコロナウイルスの封じ込みに成功していた数少ない国の一つでしたが、変異種のデルタ株の流行からタイ、インドネシアに続き感染者が増えたようです。保健省の発表によると7月27日にはベトナム全体の新規感染者は10,774人と過去最多を更新し、7月31日は8,620人、ホーチミン市では4,180人と東京とほぼ変わらない数値となっています。JETROの発表によると政府は社会的隔離をホーチミン市、ハノイ市に命じており、公共交通機関や配車アプリ等のサービスも停止となっています。周辺の省との往来も検問所を設置し陰性証明書の提示の要請があるなど、厳重な隔離政策を行っております。

このような状況から市民の通勤通学の他、企業の稼働状況も深刻な問題になっています。日本経済新聞によるとトヨタ自動車はベトナムでの感染拡大の影響から部品供給が激減し、日本国内(愛知県)の工場の生産を停止せざるを得ない状況となっています。他にもトヨタ自動車はタイ工場の生産も8月上旬まで停止しており、これらの影響から、国内生産もマイナス8,000台に及ぶようです。

また、建設省の発表によるとベトナムの地方では近年好調だった地価が7月現在では-10~20%下落しているようです。また、取引件数、賃貸需要も低迷し、賃貸料も下落傾向にあるようです。しかしホーチミン市とハノイ市に至っては、新規供給不足の影響によりマンションの価格は上昇しています。

以上のことから、ベトナムでもコロナウイルスの影響は深刻化しています。まだワクチン接種も進んでいない為、変異株の猛威は8月も続きそうです。ベトナム、日本、全世界が一刻も早く通常の生活に戻ることを願うばかりです。

 

*引用元:

日本経済新聞. “トヨタ、国内工場停止が拡大 東南アジアでコロナ深刻”. https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD27AEU0X20C21A7000000/,(参照2021/08/03)

ベトナム建設省.“一般ニュース”. https://moc.gov.vn/vn/chuyen-muc/1184/tin-tong-hop.aspx?page=5, (参照2021/08/03)

ベトナム保健省. “一般ニュース”. https://moh.gov.vn/tin-tong-hop,(参照2021/08/03)

JETRO. “ハノイ市が15日間の社会隔離、新型コロナ感染拡大で各地の規制強化” . https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/07/01afc1e8eb2e88d9.html,(参照2021/08/03)

 

以上、プロネクサスベトナムが海外からの投資動向について、お知らせ致しました。

次回は、【ベトナムへの海外からの直接投資(Foreign Direct Investment以下、FDI)8月の動向について】をお伝え致します。

 

プロネクサスベトナム現地レポート(2021年8月 VOL.25)

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