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コラム

プロネクサスベトナム現地レポート (2025年2月 VOL.67)

プロネクサスベトナムが、2025年1月のベトナム現地情報をお伝えいたします。

今回のテーマは、ベトナムへの海外からの直接投資(Foreign Direct Investment以下、FDI)の動向についてです。

【FDI動向の概要(2025年1月1日~1月20日)】*1月の数値は20日時点の値   

1. 日本の対越投資動向

日本の2025年1月1日から1月20日までのFDI投資額は約6.0億USドル (*2024年同期間:約3.0億USドル、200.0%)                                日本の2025年1月1日から1月20日までのFDI投資件数は、48件(*2023年同期間:29件、165.5%)                                                    証券投資件数を日本の2025年1月1日から1月20日までのFDI投資件数は、34件(*2024年同期間:19件、178.9%)

*下グラフ参照
*証券投資を除くFDI投資件数の統計データは、会社設立や増資等の日系企業の直接的な進出動向の判断指標の一つとなる数値です。

*データ引用元:ベトナム外国投資庁

*データ引用元:ベトナム外国投資庁 *「新規投資の金額・件数」「追加投資の金額・件数」「証券投資の金額と件数」の合計で順位を算出(2025年1月1日~1月20日)

 

2.世界の対越投資動向

2025年1月までの値ですが、海外からのベトナムへの直接投資は、114の国と地域から投資が行われており、投資金額・投資件数の上位5か国は以下のとおりです。

*データ引用元:ベトナム外国投資庁 *「新規投資の金額・件数」「追加投資の金額・件数」「証券投資の金額と件数」の合計で順位を算出(2025年1月1日~1月20日)

 

2025年1月の海外からのベトナムへの投資の状況
2025年1月のベトナムに対する海外からの直接投資は、[払込資本金]が 15億1,000万米ドル以上、前年同期間比で2% 増加しました。特に、海外からの[新規投資件数]は前年同期比で大幅に増加(2025年1月: 282件(前年同期比:6.6%減))いたしました。また、[登録資本金]については、43億3000万ドル以上に達し、前年同期間比48.6%増加いたしました。
 また、新規の[登録資本金]の総額は12 億 9,000 万億USドル(前年同期間比43.6%減)となり、同様に海外からベトナムへの既存プロジェクトに係る増資に関しては、137件行われ(前年同期間比4.6%増)、金額は 27 億 3,000 USドル(同期比6.1 倍増)となりました。

 

2025年1月20日時点の海外からの投資累計額
2025年1月までの全期間にベトナム全体に対して申請された累計の[*登録資本金]の総額は、5,054億USドルであり、これに対して実際に払い込みされた[払込資本金]の総額は3,240億USドル(64.1%)になっております。
*申請時に登録を行う[登録資本金]全額を支払う必要はなく、実際に払い込まれた資本金を[払込資本金]として区別します。なお、[登録資本金]と[払込資本金]が一致している場合、親子ローンなどの借入を行うことができないため、投資を行う場合は注意が必要です。

 

ベトナムのデータセンター建設コスト、アジア2位の低水準
ベトナムは、データセンター投資家にとって魅力的な投資先として認識され続けています。クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドが発行した「アジア太平洋データセンター建設コストガイド2025」によると、26都市90のデータセンター・クラスターをカバーするベトナムはアジア太平洋地域で最も建設コストが低い国の一つで、台湾に次いで2番目に低いとされています

同レポートによると、ベトナムの中規模標準データセンターの平均建設費は1メガワット(以下、MW)当たり693万5,600米ドルで、前年比3.5%増(1MW当たり1億7,547万6,800ドンに相当)です。このコストに占める電気システムの割合が最も高く(26%)、次いで機械システム、内装/仕上げがそれぞれ13%となっています。

アップル、インテル、キヤノン、サムスン、LG、LEGO、エアバスなどの大手企業やその他のグローバル企業は、ベトナムのパートナーと協力し、グローバルビジネスへの包括的なアプローチの一環として、デジタルトランスフォーメーション戦略の確立に取り組み始めています。ベトナム政府はまた、公共部門における強固なデジタル化に向けて、政府データを安全に保管するための国家データセンター・プロジェクトを発表しました。こうした取り組みは、先進的な企業の成長を促すだけでなく、ベトナムのデータセンターのキャパシティを拡大するものでもあります。

ベトナムのデータセンター容量は現在51MWで、11MWが建設中、さらに今後5~7年以内に28MWが計画されています。国営通信会社はまた、2030年までに少なくとも2本のベトナム所有のケーブルが運用開始されるよう計画しており、他のアジアのデジタルハブへの短距離ルートを優先させ、ベトナムのデジタルインフラの構築と開発において政府を支援するとしています。このような進展に伴い、ベトナムはデータセンター投資にとってより魅力的な市場となるでしょう。

しかし、ベトナムのデータセンター市場はまだ多くの課題に直面しています。最大の課題のひとつは、データセンターの運用を維持するために不可欠な、安定した強固な電力を供給できるかどうかです。ベトナムでは、国の送電網がピーク時の需要を満たすのに苦労しているため、頻繁に停電が発生しています。政府は約660万キロワットの電力容量の追加に取り組んでいますが、完了までには数年かかる可能性があります。

さらに、複雑な法的規制や行政手続きも大きな障壁となっています。必要な許認可を取得し、ベトナムの幅広い法的環境を乗り越えることが困難な場合があります。最後に、データセンターの建設・運営に携わる熟練労働力はまだ限られています。これは特に新興市場において顕著で、高い信頼性を必要とする大規模な産業プロジェクトを建設できる労働力はまだ比較的少ないといえます。

 

*引用元
Cushman & Wakefield 「Vietnam’s Data Centre Construction Costs Range from USD 5.5 to 8.5 Million per Megawatt, Cushman & Wakefield Reports」
https://www.cushmanwakefield.com/en/vietnam/news/2025/02/vietnam-data-centre-costs-report
(参照2025/2/10)

Hanoi Times 「Vietnam’s data center construction costs among the lowest in Asia Pacific」
https://hanoitimes.vn/vietnams-data-center-construction-costs-rank-among-asia-pacifics-lowest-329132.html
(参照2025/2/7)

 

以上、プロネクサスベトナムが海外からの投資動向について、お知らせ致しました。
次回は、【ベトナムへの海外からの直接投資(Foreign Direct Investment以下、FDI)2
月の動向について】をお伝え致します。

 

プロネクサスベトナム現地レポート(2025年2月 VOL.67)

 

 

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