コラム
プロネクサスベトナム現地レポート(2021年6月 VOL.23)
プロネクサスベトナムが、2021年5月のベトナム現地情報をお伝えいたします。
今回のテーマは、ベトナムへの海外からの直接投資(Foreign Direct Investment以下、FDI)の動向についてです。
2021年ワクチンが普及してきたものの全世界で新型コロナウイルスの影響は未だに大きく、前年同時期と比べると減少傾向が続いております。
【FDI動向の概要(2021年1月1日~5月20日)】 *5月の数値は、20日時点の値
1.日本の対越投資動向
- 日本の2021年1月1日から5月20日までのFDI投資額は約25億9,008万USドル(*2020年同期間:約12億6,528万USドル、204.7%)
- 日本の2021年1月1日から5月20日までのFDI投資件数は、221件(*2020年同期間:513件、43.1%)
- 証券投資件数を除いた日本の2021年1月1日から5月20日までのFDI投資件数は、123件(*2020年同期間:187件、65.7%)
*下グラフ参照
*証券投資を除くFDI投資件数の統計データは、会社設立や増資等の日系企業の直接的な進出動向の判断指標の一つとなる数値です。
2.世界の対越投資動向
2021年5月の値ですが、海外からのベトナムへの直接投資は、70の国と地域から投資が行われており、投資金額・投資件数の上位5か国は以下のとおりです。
<主な大型プロジェクト>
- 火力発電所建設プロジェクトで約13億USドル(日本)2021/1
- LG電子ハイフォン工場に約7億USドル追加投資(韓国)2021/2
- 発電所建設プロジェクトで約31億USドル(シンガポール)2021/3
- 太陽電池プロジェクトで約5億USドル(香港)2021/3
- Far Eastern Polytex工場に約6億USドル追加投資(台湾)2021/5
- 上記の大型プロジェクトなどがFDI投資金額全体を下支えしており、全世界からのベトナムへの投資金額は、対前年同時期と比較し60.5%程度で推移
*引用元:ベトナム外国投資庁
<5月の投資状況>
2021年5月の外国からベトナムへのFDI投資をみてみると、金額ベースは同水準に少しずつ戻りつつありますが、件数は未だに伸び悩んでいる状況にあります(対前年比 約60.5%程度)。
外国からベトナムへの新規プロジェクトへの投資は613件(対前年比50.6%程度)、金額は88億USドル(対前年比118.6%)。同様に外国からベトナムへの既存プロジェクトに係る増資に関しては、342件行われ(対前年比78.4%程度)、金額は38億USドル(対前年比111.7%)に達しました。しかしながら、2021年5月のベトナムにおいて投資資本においては6.7%増加し、厳しい状況下でも注目を浴び、経済成長が続いていることが分かります。
<注目を集めるベトナム ビンズオン省>
ベトナムの大都市といえばホーチミンやハノイを思い浮かべる方が多いかと思いますが、近年ホーチミンの隣に位置するビンズオン省が南部経済圏の未来工業都市として注目されています。ホーチミンから北へ20㎞、車で1時間程の所に位置しており、多数の日系企業も進出しております。
ビンズオン省計画投資局2021年1月から5月までのFDI額が12億5,000万USドル(対前年比159%)と大きな成長を遂げていることを発表しました。その中で新たなプロジェクトは27件あり、総登録資本は2億8,900万USドル(対前年比109%)に達しました。国別にみると台湾、シンガポールからの投資が多く、それ以外にも18の国と地域から投資が行われております。
ビンズオン省の外国投資資本の誘致は国内で3位に位置しており、ホーチミンやハノイに次ぐランキングとなっています。現在までにビンズオン省には3,974件のプロジェクトがあり、登録投資総額は365億USドルで、国の総投資資本の約9%を占めています。
上記のように近年ではホーチミン、ハノイに次ぐビンズオン省のような新たな都市も注目を浴び、ベトナムの更なる成長が期待されます。
*引用元:ビンズオン省計画投資局(BINHDUONG PROVINCE). “Binh Duong awarded Investment Certificates for the 1st phase of 2021”. https://www.binhduong.gov.vn/tin-tuc/2021/05/246-binh-duong-trao-giay-chung-nhan-dau-tu-dot-1-nam-202,(参照2021/05/28)
以上、プロネクサスベトナムが海外からの投資動向について、お知らせ致しました。
次回は、【ベトナムへの海外からの直接投資(Foreign Direct Investment以下、FDI)6月の動向について】をお伝え致します。
プロネクサスベトナム現地レポート(2021年6月 VOL.23)
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