コラム
プロネクサスベトナム現地レポート(2021年10月 VOL.27)
プロネクサスベトナムが、2021年9月のベトナム現地情報をお伝えいたします。
今回のテーマは、ベトナムへの海外からの直接投資(Foreign Direct Investment以下、FDI)の動向についてです。
2021年ワクチンが普及してきたものの全世界で新型コロナウイルスの影響は未だに大きく、前年同時期と比べると減少傾向が続いております。
【FDI動向の概要(2021年1月1日~9月20日)】*9月の数値は20日時点の値
1.日本の対越投資動向
- 日本の2021年1月1日から9月20日までのFDI投資額は約32億6,600万USドル(*2020年同期間:約17億3,021万USドル、188.7%)
- 日本の2021年1月1日から9月20日までのFDI投資件数は、377件(*2020年同期間:757件、49.8%)
- 証券投資件数を除いた日本の2021年1月1日から9月20日までのFDI投資件数は、222件(*2020年同期間:309件、71.8%)
*下グラフ参照
*証券投資を除くFDI投資件数の統計データは、会社設立や増資等の日系企業の直接的な進出動向の判断指標の一つとなる数値です。
2.世界の対越投資動向
2021年9月の値ですが、海外からのベトナムへの直接投資は、94の国と地域から投資が行われており、投資金額・投資件数の上位5か国は以下のとおりです。
<主な大型プロジェクト>
- 火力発電所建設プロジェクトで約13億USドル(日本)2021/1
- LG電子ハイフォン工場に約7億USドル追加投資(韓国)2021/2
- 発電所建設プロジェクトで約31億USドル(シンガポール)2021/3
- Far Eastern Polytex工場に約6億USドル追加投資(台湾)2021/5
- クラフト紙の工場プロジェクトで約6億USドル(日本)2021/7
- 上記の大型プロジェクトなどがFDI投資金額全体を下支えしており、全世界からのベトナムへの投資金額は、対前年同時期と比較し60.8%程度で推移
*引用元:ベトナム外国投資庁
<9月の投資状況>
2021年9月までの外国からベトナムへのFDI投資をみてみると、コロナウイルスの影響で金額、件数ともに伸び悩んでいる状況にあります(対前年比 約60.8%程度)。
外国からベトナムへの新規プロジェクトへの投資は1,212件(対前年比62.2%程度)、金額は125億USドル(対前年比121.3%)。同様に外国からベトナムへの既存プロジェクトに係る増資に関しては、678件行われ(対前年比84.9%程度)、金額は64億USドル(対前年比125.4%)に達しました。コロナウイルスの影響で多くの工場が停止し、投資プロジェクトも減少した月となりました。
<ベトナムの地域格差について>
ベトナム統計総局が2020年世帯生活水準調査を実施しました。その結果によるとホーチミンやハノイを抜き、ビンズオン省が最高の平均月収になったと発表されました。ビンズオン省の月間平均所得は700万VND(約3万4000円)、ホーチミン市は650万VND(約3万1000円)となります。その後にハノイ市、ドンナイ省、ダナン市、カントー市が続きます。ビンズオン省と平均月収が最も低いとされるディエンビエン省を比べると4倍もの差があり、このような結果が地方から都市部への人口移動を生んでいるようです。
地域ごとの購買力=人口をみていくと、ホーチミン市で900万人、ハノイ市で800万人、2都市を合わせると1700万人にも上ります。ビンズオン省のように成長している都市も多くあるベトナムですが、人口を考えるとホーチミン市やハノイ市での市場開拓が有効であり、そのどちらの都市にするかがベトナム進出企業にとって悩ましいところであるようです。
*引用元:
VIETJO LIFE. “【第54回】一人当たり平均月収から見るベトナムの地域格差について”. https://life.viet-jo.com/column/asia-plus/763,(参照2021/09/30)
以上、プロネクサスベトナムが海外からの投資動向について、お知らせ致しました。
次回は、【ベトナムへの海外からの直接投資(Foreign Direct Investment以下、FDI)10月の動向について】をお伝え致します。
プロネクサスベトナム現地レポート(2021年10月 VOL.27)
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